2010年01月09日

地道な活動が医療を変える―進化する患者会(下)(医療介護CBニュース)

 「原因が分からない」「診断が付かない」「治療法がない」といったアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患が依然として存在する。連載最終回では、こうした疾患の中から線維筋痛症とシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)を取り上げ、患者会のリーダーたちが奮闘する姿を追った。

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■たらい回しに遭う線維筋痛症患者

 四六時中、痛みが全身を襲う線維筋痛症。「NPO法人線維筋痛症友の会」(横浜市、会員数1500人)の遠藤修理事代行が異変を感じたのは6年前のことだ。「朝起きたら、体にビリビリと痛みが走った。突然だった」。気晴らしに出掛けた温泉に浸かっても痛みは治まらず、3週目に整形外科を受診。関節リウマチを疑われ、痛み止めの薬剤を2週間分処方された。しかし、ある程度落ち着くまで激しい痛みが1年続いた。「痛みの原因を突き止めようと、その間3、4か所の医療機関を受診したが、血液検査を受けても分からない。せいぜい中性脂肪の数値が高いとか、尿酸値が高いとか言われて、食べ物に気を付けなさいとパンフレットを渡される程度だった」という。

 線維筋痛症の推定患者数は国内で200万人に上る。痛みの程度は人それぞれのようだが、遠藤さんは「200万人のうち、寝たきり状態になっている重症者が5万人もいる。残りの195万人についても学校に通えない、あるいは仕事に就けない人が圧倒的に多いと思う」と指摘する。こうした患者の多くが、遠藤さんと同様、原因不明のまま医療機関を転々と渡り歩く経験をしているのではないだろうか。

 また、たとえ確定診断されたとしても、根本的な治療法は確立していない。遠藤さんは「薬剤の適応外使用によって症状が落ち着き、安定した状態に持っていければ、ひどく悪くなることはないと思う。適応外薬のための審議会に一つずつ薬剤を諮って正式承認していくプロセスを取るよりは、医師の判断で使えるようにしてもらえれば、かなり違ってくるのだが」と指摘する。しかし、ほとんどの会員が動きたくても動けない状態のため、遠藤さん1人で国会議員を訪ねて要望書を手渡しているのが実情で、「これでは200万人の重みが伝わりにくいかもしれない。今動くことの大切さを、会員にどう働き掛けていくか悩んでいる」と吐露する。

■取り残されるCMT患者

 末梢神経障害により、手や脚が不自由になっていくCMT。推定患者数は2000人。先端部分からゆっくりと進行していくのが特徴で、症状の重さには幅があるが、重いケースでは車いす生活を強いられる。「CMT友の会」(東京都台東区、会員数100人)の事務局の岸紀子さんは、「発症当初は気付かず、ある程度悪化してから、まず整形外科を受診して、神経内科に回されて初めて病名が付く人がほとんど」と説明。「治療法がないため、大多数の医師は診断が付いたら、ここで終わりという感じになる」と指摘する。一人取り残された形の患者は「どこまで進行するだろうか」「子どもに遺伝しないだろうか」などと不安が尽きない。

 患者会が設立されたのは1年半前とまだ日が浅い。設立に尽力した栗原久雄さんは、「わたしが4年前に発症した当時は、あまりに患者数が少ないこともあり、ほとんど情報がなかった。患者会では正しい情報を発信していくことで、患者さんの役に立ちたい。また、医師や製薬企業などによる治療法の研究が進むように後押ししていきたい」と語る。

■孤立しがちな患者会をサポート

 こうした患者会を含む「ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会」(VHO―net)の事務局を務めているのが、世界製薬最大手のファイザーだ。2001年から始まった参加団体のリーダーが共通課題を話し合う「ワークショップ」が今年、10回目の節目を迎える。同社コミュニティー・リレーション部の喜島智香子ペーシェント・リレーション担当課長は、第1回ワークショップのプラン作りから一貫して患者会の支援活動に携わってきた。喜島さんは「研究が進んでいない難病もあるし、まだまだ希少疾患で困っている患者さんが大勢いる。課題は多く、地道に解決していきたい。そのためには自分たちだけのメリットを考えず、共に取り組む姿勢に徹していく必要がある」と強調。「よりよい医療の実現に患者さんが力を注げるような具体的なプロジェクトを考えていく」と話している。
(この連載は玉城正之が担当しました)


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診療報酬全体、10年ぶり引き上げへ−2009年重大ニュース(10)「10年度診療報酬改定」(医療介護CBニュース)

 来年度の診療報酬の改定率は、薬価・材料価格を1.36%引き下げる一方、医科、歯科、調剤で構成される本体部分を1.55%引き上げ、診療報酬全体では0.19%引き上げる形で決着した。診療報酬本体と薬価・材料価格を合わせた全体での引き上げは、2000年度改定以来10年ぶり。中央社会保険医療協議会(中医協)は、基本方針と改定率に沿って具体的な点数配分をめぐる議論を年明けから本格化させる。12年度に予定されている診療報酬・介護報酬の同時改定の「前哨戦」とされる来年度の報酬改定では、病院と診療所の再診料の見直しなどが焦点になる。

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■医科1.74%、歯科2.09%、調剤0.52%のプラス改定
 来年度の本体部分の改定率の内訳は、医科1.74%、歯科2.09%、調剤0.52%。一方、薬価は1.23%、材料価格は0.13%引き下げる。本体部分1.55%の引き上げは、医療費に換算すると約5700億円に相当。民主党の政権公約(マニフェスト)を反映し、特に医科の入院を3.03%引き上げ、配分を手厚くする。来年度の報酬改定では「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」や「病院勤務医の負担軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」などが重点課題に位置付けられており、今後は点数を引き下げる領域を検討し、財源のさらなる捻出を図る。急性期入院医療におおむね4000億円程度を注ぎ込む。

 改定率の決定は、12月23日までずれ込んだ。
 長妻昭厚生労働相や足立信也政務官が医療費増の必要性を早くから強調するなど、当初は来年度の改定率引き上げは既定路線かと思われた。しかしその後、財務省側が巻き返しを図った。行政刷新会議の事業仕分けで、収入が高い診療科の報酬見直しなどを主張すると、11月19日には、診療報酬本体部分の増減率を「最大0%」とする方針を発表した。
 背景には、財源不足の問題がある。民主党がマニフェストに掲げた政策を実現しようと、各省庁の来年度予算の概算要求は最終的に、過去最大規模の92兆円台に膨らんだ。

 診療側「(病院に財源を回した)08年度の診療報酬改定では不十分だった」
 支払側「医療経済実態調査の結果からも、医療機関の経営は改善されている」
 12月9日の中医協・総会では、来年度の診療報酬改定に対する中医協としての意見書を取りまとめる予定だったが、医療費全体の底上げを主張する診療側委員と、底上げに慎重な支払側委員の隔たりが埋まらず、意見書提出は見送られることになった。中医協が診療報酬改定に対する意見書の提出を見送ったのは2000年度改定以来10年ぶりで、04年に実施された「中医協改革」後では初めてのことだった。

 中医協による意見書については、11月25日と12月4日の総会でも話し合われたが、意見がまとまらず、結論は9日に持ち越しとなった。診療側は、この日に新たに提出した意見書の中で、昨年度の診療報酬改定で取られた病院への支援策について、「社会保障の伸びの削減政策の中で策定された診療報酬上の対応は十分ではない」「公私を問わず病院の経営状態の悪化はより深刻になっている」などとして医療費全体の底上げを改めて主張したが、支払側は「この段階で新たに意見書を出すのは後出しだ」と反発。公益側が「調停」を試みたが、結局断念した。

■12年度同時改定の「前哨戦」
 診療報酬改定の基本方針と改定率が決まったのを受けて、年明けからは中医協による点数配分をめぐる議論が本格化する。診療報酬の改定案を長妻厚労相が中医協に諮問するのは1月中旬ごろで、それ以降に点数配分の議論に入る。診療報酬改定に国民の意見を反映するため、答申までには地域公聴会や、中医協が取りまとめる改定案への意見募集なども実施する。

 中でも病院関係者の注目を特に集めているのがDPCの取り扱いだ。来年度の報酬改定では、DPC対象病院に適用されている現在の調整係数を一部廃止する。DPC対象病院の調整係数は、前年度の収入実績を担保する仕組み。厚労省は、来年度以降最低3回の報酬改定で調整係数を段階的に廃止する一方、これに代わる「新機能評価係数」を導入する。

 これまでに来年度の導入が決まっている新係数は、「DPC病院として正確なデータを提出していることの評価(データ提出指数)」や「救急医療の入院初期診療に係る評価(救急医療指数)」の4項目。
 このうち救急医療の入院初期診療に関しては、「救急医療指数=救急車ありまたは入院初日の初診料において時間外・休日・深夜加算ありのDPC対象患者数/DPC対象患者数」を評価の根拠にする。つまり、DPC対象患者の中に、「救急車あり」か「入院初日の初診料で時間外・休日・深夜加算あり」の患者がどれだけいるかが評価の分かれ目になる。
 調整係数から新係数への切り替えは、DPC対象病院を一律に評価してきたこれまでの扱いから、DPC対象病院の機能に応じて評価する形への転換を意味する。

 こうした方針は、出来高の入院基本料に関しても同じだ。病院団体などが主張する入院基本料の一律引き上げに対し、これまでのところ厚労省側は慎重な姿勢を示している。DPC新係数と同じように、入院基本料についても一律底上げではなく、病院の機能に応じて加算で評価すべきという考えがあるとみられる。

 「3年後(12年度)の診療報酬、介護報酬の同時改定で、かなり大胆に物事が進むのではないか」―。厚労省保険局医療課の当時の担当者は、6月に東京都内で開かれたセミナーでこう述べ、来年度の診療報酬改定を同時改定に向けた「前哨戦」と位置付けた。実際、来年度よりもむしろ、3年後に早くも照準を合わせる医療関係者も多い。

■病院と診療所の再診料を統一へ
 中医協のこれまでの議論では、中小病院や診療所が算定する再診料が俎上に上っている。12月16日の診療報酬基本問題小委員会では、病院と診療所の再診料を来年度に統一することで合意した。
 これ以外に、診療科ごとの再診料の見直しも論点になっていたが、少なくとも来年度は実施しないことになった。

 診療所の点数を引き下げるか、病院の点数を上げるか、あるいは両者の中間で統一するのか―。病院と診療所の再診料をめぐる議論は、年明けから本格化する。
 厚労省の担当者は16日の基本小委終了後、「支払側と診療側は、おそらく違う意味で納得して帰ったと思う」と記者団に漏らした。

 政権交代に伴い、中医協では委員の任期切れに伴う後継人事がなかなか決まらず、報酬改定をめぐる議論が9月30日から約1か月間ストップ。この間の遅れを取り戻そうと、再開後は午前9時に開会。会場には毎回、早朝から傍聴希望者が詰め掛けた。傍聴席の獲得競争は年末に近づくにつれてエスカレートした。

 12月9日の薬価専門部会では、来年度の薬価制度改革がテーマになり、行列の先頭となった傍聴希望者が会場に到着したのは、午前5時半だった。16日の基本小委では、厚労省がこの日からラジオでの音声中継を試験運用したいと提案したが、診療側から反対意見があり、結局見送られた。


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